# AIアシスタントの記憶参照経路が物理的に切断されていた事故（技術版）

**発覚日：** 2026-05-16
**影響期間：** 約4日間
**重大度：** 重大（学習継続性の核が断線していた）

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## 1. 事象（1行）

ユーザーが「これ覚えて」「重要だから記録して」と指示してAIに学習させていた内容（約4日分・36ファイル）が、**新しいセッションを開始した時点で自動参照されない状態**になっていた。

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## 2. 検出経緯

ユーザー本人の指摘で発覚した。趣旨：
> 「メモしてとか重要だよと言って君が記録していたが、結局それが参照できていなかったのでは？」

それまでは「記録しました」という応答が返っていたので、ユーザー側は機能していると認識していた。
AI側も書き込み動作は実行していた。
**「書いた場所」と「次セッションで自動的に読まれる場所」が別だった**ことに、両者とも数日間気付かなかった。

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## 3. 構造（なぜ起きたか）

### 一般化したシステム構成

このAIアシスタントの記憶経路は3層に分かれていた：

```
[A] 現在のチャット内コンテキスト       — 会話中だけ覚えている（短期）
[B] セッション起動時に毎回読むファイル — システムプロンプトに混ぜ込まれる（中期）
[C] 自動メモリーシステム               — AI製品側が自動で読み書きする層（長期・自動）
```

設計上の狙い：
ユーザーが何か重要なことを発話したら、AIが [C] 自動メモリーに書き込む。
次セッション以降は、AI製品の起動時に [C] が自動で読み込まれる仕組み。

### 実際に何が起きていたか

[C] 自動メモリーが読み書きするパスは、**AI実行環境のローカル領域**だった。

```
（環境ローカル領域）/{プロジェクト識別子}/memory/
```

このパスはAI実行マシンのローカル。つまり：

- ノートPCとデスクトップPCで**別実体**（同期されない）
- クラウドストレージの同期対象外
- 1台のPCで書いた記憶は、別PCで起動した同AIには見えない

ユーザーは複数のPCでAIを使い分けていた。
一方、書いた内容をクラウドストレージ上のフォルダに保存する運用を、別の事情から確立していた（両環境で同じ記憶を共有したい、バックアップしたい等）。

```
[書いた場所]   クラウドストレージ上の memory/ フォルダ
[自動で読まれる場所]  AI実行環境のローカル領域  ← クラウド外
```

**この2つが別物だった。**

書いたつもりの36ファイルはクラウド側にしか存在せず、AI起動時の自動読込システムは「ファイルなし」と判定して何もロードしていなかった。

### なぜ気付かなかったか

1. **書き込み自体は成功していた**（クラウド側に物理ファイルとして存在）
2. AI側は「メモリーに保存しました」と返答していた（嘘ではない・書く動作は実行した）
3. ユーザーは応答だけ見て確認、物理ファイルの読込確認まではしない
4. 次セッションのAIは、システムプロンプトに何も乗っていない状態で起動するが、別経路（プロジェクト直下の起動時設定ファイル等）からはそれなりに動けるので、**「機能していないこと」自体が見えにくかった**

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## 4. 影響範囲

### 失われていた継続性

過去4日間に蓄積した以下のような項目が、新セッション開始時に**自動では**参照されていなかった：

- ユーザーが明示的に「これ覚えて」と言った内容
- 失敗パターンの教訓
- 個人嗜好・コミュニケーションスタイル
- 進行中プロジェクトの状況把握
- 過去判断の理由づけ（同じ判断軸を保つための前提）

### クローン性の劣化

このAIの設計上の核は「ユーザーの判断パターンを記録し、本人と同じ判断を出せるAIを育てる」こと。
**過去の判断記録が読み込まれない＝判断パターンが消える＝クローンとして機能しない**。

ユーザーは比喩でこう表現した：
> 「俺のクローンの部分がなくなっていた」

これは正確な表現。**実行レイヤー**（並列処理・タスク実行・自己チェック機構）は生きていたが、**人格レイヤー**（過去判断の継続性）が物理的に切断されていた。

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## 5. 対策

### 恒久対策（2026-05-16 実装済み）

#### A. クラウド側を唯一のマスター化

AI実行環境ローカルへの書き込みは**廃止**。新規メモリ永続化は全てクラウド側に書く運用に変更。

クラウド側フォルダ冒頭に `_READ_ME_FIRST.md` を設置し、「ここが唯一のマスター」と明示宣言。

#### B. 起動シーケンスへの強制ロード組み込み

特定の合言葉でAIを起動した時、AI製品側の自動メモリーに頼らず、起動直後に手動で20ファイル並列読み込みするシーケンスを義務化。

```
起動 → 20ファイル並列読込 → タスク受領
```

このうち2ファイルがクラウド側 memory/ の `_READ_ME_FIRST.md` と `MEMORY.md`（インデックス）。
**AI製品側の自動メモリーが死んでいても、起動シーケンスが必ず読む**経路を構造で確保した。

#### C. ファイル分割ルール

1ファイル20KB超過は part2.md / part3.md に分割（AIのファイル読込ツールに読み込み上限があるため）。
分割しないと「読み込めない」失敗が発生する。

### 暫定対策

- 通常モード（合言葉なしで起動した場合）は起動シーケンスが走らないため、現状リスクは残る。
- 重要な話をする時はユーザーが明示的に合言葉発話する運用で回避中。

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## 6. 教訓

### 一般化された教訓

1. **「書いた」と「読まれる」は別物。書き込み成功＝機能している、と判定するのは早計**
2. **複数環境で動かすシステムは、データ保存先が「環境横断的に同期されているか」を最初に検証する**
3. **自動システムに依存する設計は、自動が死んでも手動で経路が通る冗長性を持たせる**
4. **AI側の「保存しました」応答は、書き込み動作の報告であって、後で読まれることの保証ではない**

### このタイプのAI製品特有の教訓

- 「自動メモリー」と名前が付いていても、それは**実行環境ローカル**であることを前提に運用する
- クラウド同期を絡める場合、自動メモリーには頼らず、起動時の明示的Readで賄う
- ファイル書き込み時のパスを毎回確認し、それが他環境からも見えるか自問する

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## 関連

- 同種事故の再発防止フォルダ運用：[README.md](README.md)
- 一般読者向け版：[2026-05-16_clone_reference_break_general.md](2026-05-16_clone_reference_break_general.md)

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*作成：2026-05-16 ／ 機密スクラブ済（個人情報・固有名・クラウドプロバイダ名・AI製品名・実装パス全除外）*
